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2020/12/04
帆秋 利洋さん(大分工業高等専門学校教授)
 大分工業高等専門学校の土木工学科は、学科名として都市システム工学科の名称を経た後、現在の都市・環境工学科に変更されている。その環境工学科を担う教授で農学博士の帆秋利洋さんを訪ね、環境工学の現状と将来について聞いた。
 帆秋さんは、2018年の4月に前職の大成建設㈱から着任しているが「大成建設では、土木、建設の分野ではなく環境分野のさまざまな研究開発を担当した」と話し始めた。
 この中で土壌の浄化について、産業を営むことにより汚染された土壌に対して「環境微生物の中でも有害物質を分解するものを有効にする技術を開発し、日本全国の石油汚染土壌を浄化してきた」と、研究成果を現場に生かしてきた時代を熱く振り返った。約30年前、日本が海洋立国とうたわれた時代、海洋バイオテクノロジー研究所が設立されて、民間企業の24社から研究者が派遣された時期がある。その時、大成建設から選ばれて派遣された2人のうちの1人が帆秋さんだった。
 「深海には海底熱水鉱床があり、熱水が噴き出ている。そこには、摂氏100度以上で生息する微生物がいる。その時に完成させた微生物に関する論文は、日本で初めてのもので、それで東大の海洋研究所で農学博士の学位を取得した」と、帆秋さんは、自身の農学博士のルーツを説明する。
 1981年に大分高専の土木工学科を卒業して長岡技術科学大学(国立大学法人、新潟市)の建設工学科に進学したが、同大学の大学院に進学する時に「土木の中でも水処理の新しい研究に興味を持ち、バイオテクノロジーに惹かれて研究室を選んだことが人生の大きな岐路になった」と、この分野ではパイオニアとして歩き始めた帆秋さん。
 しかし「入社当時から手掛けてきたバイオテクノロジー分野では、会社への利益創出が難しく、2000年にゼネコンで唯一保有していた生物工学専門の研究所が閉鎖となり、社員は分散化された。その後、環境分野に特化して石油汚染土壌の浄化に取り組み、会社にも地域にも貢献しながら、土木学会の栄誉ある技術開発賞もいただいた」と、時代の変遷の渦の中にいたことに実感を込めて話した。
 現在の都市・環境分野について聞くと「前回の東京オリンピックを契機に整備されたインフラが老朽化していることも大きな課題だが、近年自然災害の被害が多発していることから地域防災技術の必要性を感じている。異常気象による自然災害の発生には、地球温暖化の環境問題が影響しているので、これからは環境プラス防災をセットにした取り組みを加速しなければならないだろう」と語る。
 海洋バイオテクノロジー研究所時代に釜石(岩手県)や清水(静岡県)で暮らした帆秋さんだが、大分に帰郷して「魚や、食べ物のおいしさを改めて噛みしめた。おんせん県おおいたも、自信を持ってもっとアピールしなければ。まだ全国レベルで伝わっていない。もったいない」と力を込める。
 休みの日は鍬を持ち、広い畑を耕し家庭菜園にいそしむ。しかも、循環型社会の一助になるように下水汚泥と地域で発生する資源ごみをブレンドして、栄養バランスを整えた配合の堆肥を製造、独自の無農薬有機農法で野菜や果物を作って田舎生活を楽しんでいる。「土壌の研究との出会いが趣味にもつながっている」と収穫の楽しさを笑いながら話してくれた。
 
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